ドライゼ銃は実戦で使用された後装式軍用小銃として最初期のものだったが、多くの利点と同時に数々の欠点を有していた。
銃身後端の閉鎖が前装銃ほど堅牢ではないドライゼ銃は、あまり高い腔圧には耐えられないため、使用できる黒色火薬の量は当時の前装銃より少なく設定されていた。このためドライゼ銃の射程距離は当時の前装銃より短く、プロイセン最大の脅威だったフランス兵が使用した後装式シャスポー銃の半分しかなかった。
また、連射を続けると黒色火薬のススがボルト先端に付着して、ボルトを完全に閉じることが難しくなり、大量のガスが漏れ出して威力の低下を招いたため、ドライゼ銃は概ね60~80発ごとに銃身やボルトにこびりついたススを掃除する必要があった。もっとも、兵一人が携行する弾薬はこれより少なかったため、これは実際的にはさほど大きな問題ではなかった。 [2]
ドライゼ銃の紙製薬莢に使用されていた黒色火薬と雷汞の燃焼ガスは共に腐食性が高く、発射後の手入れを怠れば銃身とボルトの嵌合部はすぐに腐食してしまい、時として酷いガス漏れが発生して射手の手や顔に火傷を負わせた。 [3] [4]
雷管が弾丸の後ろに置かれていたことは、推進薬である黒色火薬への二次着火を確実にしていたが、細くて長い撃針が薬室の中に入ったまま、燃焼する黒色火薬の中で高温高圧に直接曝されてしまうため、200発も撃つと撃針は脆くなり折れ易くなってしまった。
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撃針が折れてしまった場合には、ボルトを分解して撃針を交換するまで銃は使えなくなるため、兵士には予備の針が2本支給されていた。
また、ドライゼ銃のボルト先端内部には大きな容積の空間があり、ここに流入したガスとススがこびりついて、撃針の動作を阻害するというデザイン上の問題点もあった。
プロイセンの勢力拡大とともに、威力を増して装填スピードを高めた改良モデルである1862年型ドライゼ銃も採用されたが、1860年代になると普仏間の軍拡競争とは無関係に、完成形の薬莢であるボクサーパトロンと、前装銃を改造して再利用するコンセプトのスナイドル銃がイギリス軍に採用され、普仏戦争の終結で欧州が一応の安定期に入った1870年代以降、紙製薬莢は過去のものとなり、急速に金属薬莢に置換されていった。